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ちびことの最期の日々② [猫のおはなし]

7月9日に旅立った猫のちびことの最期の日々を綴っていきたいと思います。

7月4日頃からちびこの食欲が少しずつ落ちてきました。
それでも好きなものは食べてくれていたので、色々品を
変えて食べてもらっていました。

7月5日の夜は、いつもどおり点滴をしました。

翌日の7月6日、ちびこは朝からまったく食べなくなりました。
今まで好きだったちゅ~るも缶詰もそっぽを向きます。
マグロのお刺身も、ゆでじらすもいらないと言います。

どんなときでも口にしてくれた生じらすをあげたら、きっと
食べてくれるだろうと希望を持って、お昼に買いに行きました。
ところが、その生じらすも一切いらないと横を向いてしまいました。
生じらすは最終手段だったので、これは深刻な事態かもしれないと
思いました。

ちゅ~るを少し指につけて、口に運んでみましたが、激しい抵抗に
あって、怒って部屋に隅に逃げていってしまいました。
以前、先生がちびこは食べさせるのは非常に難しいと言っていた
ことを思い出しました。

末期の腎不全でしたので、出来ることは点滴と食事をなんとか
食べさせることでした。
悪くなった腎臓は決して元には戻りません。
点滴をしても自分から頑として食べないとなると、これは少し
覚悟をしたほうがいいかもしれないと思いました。

ちびこの外見はごはんは食べないものの、吐いたり下痢をする
こともなく、ぐったりもしていません。
自分で歩き回ることも出来ています。

ちびこと話してみました。

私「ちびこ、何か希望はある?」

ち「ごはんはもう食べたくない。お水は自分で飲むからいいよ。」

私「点滴は?」

ち「夜100CCだけしてほしい。」

私「そうするね。あと伝えたいことはある?」

ち「もう亡くなると思う。
  その時は今までどおり、いつもどおりにしていてほしい。」

ちびこはとても穏やかで落ち着いていました。

私「いつもどおりがいいんだね。お尻のところにペットシーツを
  敷いてほしい?」

もしトイレが間に合わなくても横でできるようにしてあげようと
思いました。

ち「自分でトイレに行くから大丈夫。
  最後の最後までちゃんとするよ。」

私「私達家族に伝えたいことはある?」

ちびこは立ち上がって自分で水を飲み、ペットシーツが
敷いてある、落ち着く場所に移動して横になりました。

ち「ここでゆっくり寝てるよ。ここなら安心でしょう?」

私の心配すらも大丈夫と言ってくれています(^^;)

ち「他の猫たちと同じで、私もあまり手をかけずに逝くよ。
  それが親孝行だと思う。立派に亡くなることが誇りだもの。」

歴代の猫達の旅立ちが実に立派だったことを思い出しました。
ちびこはみんなの旅立ちを知っています。

私「そうだね。ありがとう。」

ち「千尋は体のことに気をつけてね。甘いものを食べ過ぎないこと。
  私のように糖尿病にならないでね。
  私は立派に治したけど、人間は治らないから。」

私「気をつけるよ。他にはある?」

ち「今のコロナウイルス(人間の新型コロナウイルス)は
  私達(動物)から見て、人間を試していると思う。
  人間がどう生きるのか、自分とは何か、立ち位置を考えて、
  自分の生きること、健康への向き合い方、生きる姿勢、
  みんな見直さなくちゃならなくなった。
  その中でどれが大切かはみんな違う。
  一人一人が自分にとって一番大切なものは何かを考えて、
  それに向かっていければ、世の中はきっと良くなるよ。」

私「きっとそうなるね。
  ちびこにとって一番大切なものはなんだったの?」

ち「家族かな。みんな私によくしてくれて、私が威張っても
  一番にしてくれて、今は長老として立派に役目を
  果たせたと思う。

  天国には亡くなった仲間達がいて出迎えてくてる。
  もう心配することは何もない。
  私は大好きな仲間と家族に囲まれて幸せだったよ。」

私「私もちびこと過ごせて幸せだったよ。」

ち「色んな病気を乗り越えたし、長生きも出来て悔いはない。
  発作(腎臓病では痙攣の発作が起きることがあります。)
  も起こさなかったし、吐いたり下痢もなかった。
  きれいに旅立てるよ。
  あと1~2日ゆっくり過ごして、いつものように旅立つよ。
  それまでは今までのように過ごしてね。」

私「ありがとう。」

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話し終えたちびこはとてもいい表情をしていました。

ちびこの心はもう天国に向かっていました。
ごはんを食べないだけで、穏やかで落ち着いていて、
とても旅立つようには見えませんでした。

その後、私は今、病院に連れて行ったら、まだ助かるかもしれないと
何度も思うことになります。
しかし、点滴や治療をしたとしても、ちびこが自分から食べてくれるかと
思うと、それは多分ないだろうとどこかでわかっていたと思います。

ちびこの望むように過ごさせてあげようと決意しました。

それから、ちびこと旅立ちに向けての数日間が始まりました。

ちびことの最期の日々③に続きます。

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