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ウスキツバメエダシャクのおはなし~次世代の命のために [虫のおはなし]

11月13日の夕方、白くてきれいな蛾が台所の窓ガラスに止まっていました。
羽根はぼろぼろで、もうすぐ命が尽きかけているのを感じました。

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(日付が2000年になっていますが間違いです^^;)
それでもその姿が凛として美しく、写真に撮らせてもらいました。
調べてみたらウスキツバメエダシャクという蛾の一種で、
先日おはなししたマダラエダシャクさんの仲間です。
不思議なご縁だな~と思いました。

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数時間後、なんともう死にそうだったウスキツバメエダシャクが
卵を産んでいるではないですか!

おはなししてみました。

私「どうしてここに卵を産んだの?」

ウ「ここが安全だってわかったから。」

私「安全だと思う?」

窓ガラスの目立つところに産んであって、果たして安全なのか心配です(^^;)

ウ「あなたは決して卵を取らないってわかったし、
  子供達を見守ってくれる。
  たとえ私が死んでも、秋が来て、冬が来て、春が来て、
  子供達は産まれ続ける。
  命は受け継がれていく、ずっと。

  だから私たちは産み、育て、生きる。
  それがずっと輪のように続いて命は廻っているよ。
  輪廻のように。それが永遠の命。

  虫達は本当はすごく長生き。
  その一つ一つがつながって、永遠に生きていると思っている。
  個と群れが一つの流れになって生き続ける。

  人間も本来はそうなんだけど、大きな群れの意識が
  全体を大切にしていないし。」

私「そうかもしれないね。
  コロナで世界中、日本中も分断されていて、
  価値観の違いや対立、物別れも起きているよ。」

ウ「病気(ウイルス)は一つの流れでしかない。」

私「では虫達はそれに対してどう生きるの?」

ウ「耐性をつけるために今の遺伝子を変異させて、
  次世代につないでいく。
  私たちにはそれが可能。
  命が短い分、環境に適応する能力が強いから。
  
  人間は長く生きている分、それが出来ない。
  でも心を適応させたらいいと思うよ。」

私「そうだね。どんなふうに?」

ウ「次の時代に何を残せるかを考えること。
  私たちは遺伝子、適応力。
  人間は科学の力でも、心の中でも、いつも次の世代を思って、
  環境と心を守っていったらいいよ。
  生き抜くために何が大切かを常に考えて。

  心があたたまるもの
  人を癒すもの
  愛や絆とかそういうものをあたためて
  拡げていったらいいんじゃないのかな。
  それは大きく広がって、環境をも変えるよ。
  みんなが生きていくためにね。」

私「どうもありがとう。」

ウ「私は行くね。子供達をよろしくね。
  次の世代を大事にね。
  生きて、生き続けるんだよ!」

ウスキツバメエダシャクさんは翌朝まで卵に寄り添っていました。
そしてお昼になる少し前、もうそこには卵だけが残されていました。

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私は彼女の子供達を託されました。
それから毎日、台所の窓にある卵達を見守っていました。

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そしてなんと!2週間ほどして、卵が白くなっているのを発見しました。
よく見るとすでに孵化して空になっています(驚)
卵のまま越冬して、春になって孵化すると思っていたのでびっくりです!

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そして今日、最後の卵が孵化して、小さなシャクトリムシが窓を歩き出しました。
その大きさは3ミリもない小ささです。
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(小さすぎてボケボケですみません・・)

それでも一、二、一、二、と掛け声をかけているように体をのびつ縮みさせて
懸命に前に進んでいます。

写真を撮らせてもらった後、このシャクトリムシさんの行く末に幸運を!と
応援して、その場を後にしました。
しばらくして見てみると、もう窓にはシャクトリムシの姿はなく、
空になった卵だけが残されました。

ウスキツバメエダシャクさんの子供達は全部孵化して、無事に
巣立っていきました。
これから季節は冬に向かいます。
頑張って越冬して春を迎えてほしいです。
彼女の子供達がたくましく命をつなげていってくれますように。

そして私も、生き続けるために何が大切なのかを常に考え、
心の中で大切にして、自分の糧にして生きていけたらと思います。

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